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【DTPキーワード】版面の設計

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版面[type area ; type page ; text page]

「はんづら」と読む。組版されたページ面のうち、実際に印刷される文字、罫線、画像などが占める面の範囲のことである。結果的に版面の面積は、判型から余白を引いたものになる。
本文部分の各ページの版面は同一である。また左右両方のページを一つの図版として捉えるため、判型に対して版面が中央に位置していることは稀である。

判[size of paper ; size of book]

書籍やポスターなどの紙加工品の仕上がり寸法と形態を指す。
A4 判、A5 判、新書判、タブロイド判などがある。

マージン[margin]

出版物などのページにおいて上下左右に存在する版面以外の余白部分を指す。
各部の余白は上部は天、下部は地、製本で綴じられる内側はノド、その反対側は小口と呼ばれる。

    • ノド[back margin]
    • 本の綴じ目に沿った部分。

    • 天[head ; top ; top edge]
    • 本の上部。本の背以外の中身の三方の内上端を指す。
      「あたま」ともいう。

    • 小口[edge ; fore edge]
    • 仕上げ断ちした本の三方の切り口。一般には前小口のことをいう。

    • 地[tail edge]

    本の下部。本の中身を仕上げ断ちした後の三方の下部の切り口。「けした」ともいう。

マージンと版面の取り方には諸説あるが、判型に対する伝統的な書籍の体裁はノドあきが一番狭く、次に天、小口、地の順となるのが一般的である。
一般に判型が大きいほど余白の比率は大きくなる。
小口の余白は製本のズレが目立ちやすいのであまり小さくできない。

文字の大きさ・字詰め・行間の基本ルール

  • 文字の大きさは読者や本の内容によって異なるが、一般的な書籍・雑誌の本文級数は11〜14 級が標準である。
  • 1 行の字詰めは文字の大きさと判型に合わせて可読性のバランスを決める。
  • 行間は字詰めによって異なるが、文字の大きさの半角(1/2em)から全角アキが標準である。
  • 1 行の字詰めが長ければ行間を広くし、短かければ狭くする。
  • 大きな文字級数や字面が大きな文字は行間を広めにし、小さい場合は狭める。

基本組体裁

雑誌や書籍などのページに対する文字組みの基本となる体裁のことである。
版面の内側で基本組体裁に必要な値を決める。
まず先に書籍の内容表現にふさわしい書体を決め、ターゲットとしている読者が視認しやすい文字の大きさを決める。
次に組方向と行数や字詰めを決め、1 行の文字数が多い場合には段数を決める。多段組の場合には段間を設定する。
行長や字詰めと相互に関連しているのは文字サイズである。可読性という点で横組よりも縦組の方が行長を長く取ることができる。
行と行の間は一般に文字サイズの25%〜100% 程度あける。
文字サイズと行間を足したものが行送りである。
視線の移動を容易にするために、行長が長いほど相対的に行間は大きく取る。

  • 組方向[type set]
  • 本文ページが縦組か横組かを決める。

  • 書体[typeface ; face]
  • 文字の用筆(筆画)や形態が同じもので作られ系統化さている字形。フォントとは異なる。

  • 文字サイズ[font size]
  • 文字の大きさ。Q(1Q = 0.25mm)/ ポイント(1point ≒0.3528mm)で示す。

  • 字詰め
  • 1 行に収容される文字数。1 行の行長に相当する。

  • 行長[line length]
  • 1 行内での文字の配置において行頭から行末までの長さ。

  • 字間[character gap ; separation]
  • 1 行中の上下(縦組)または左右(横組)に隣り合う文字と文字の間隔。

  • 字送り[character pitch]
  • 隣り合う文字から文字までの間隔。

  • 行間[interline ; line space]
  • 組版における行と行の間の空き量。一説に行間の適性値は行長の3%という説がある。

  • 行送り[line pitch]
  • 文字の大きさに行間を足した距離。

  • 段[columns]
  • 行の集合を段と称する。1 行が長くなり過ぎると読みにくくなることから、適度の文字数、適度の行数にて段を形成する。

  • 段組[column composition]
  • 1 ページを2 段以上で組む文字組版の方法。通し組(1 段組)に対して用いる。

  • 段間[column space]
  • 1 ページを2 段以上で組む段組における段と段の間のスペース。通常段を識別しやすくするために行間よりも大きいスペースを確保して段を区切る。また罫線で区切る場合もある。

版面

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一

(Jagat info 2014年9月号より転載)


AdobeMuseによる販促支援コンテンツ制作

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まずはスマホで情報収集というのが、多くの消費者の行動パターンになっている。 また、デジタルサイネージや電子POP など多種多様なスクリーンデバイスが進化を続けながら普及している。

こうしたデバイスへのコンテンツ提供の担い手として、非常に有利な立場にあるのが印刷会社である。なぜなら、印刷物の制作を通してお客様の商品やサービスを深く理解したうえで、わかりやすく表現することのノウハウが蓄積されているからだ。
ただしハードルもある。それがコーディングである。今後は汎用性を考えるとHTML5 形式でのコンテンツ提供が求められてくると思われる。

印刷会社の強みをより活かし弱点を補えるツールがAdobeMuse である。
●DTP 制作のスキルが活かせる
●Adobe Creative Cloud のユーザであれば新たな投資が不要
●コーディング不要でデザイン性の高いHTML5 コンテンツが制作できる

さらに本セミナーでは、ビジネス提案のタネとなる各種サンプルを紹介。
ご自身のスマホで操作も体験できる。

印刷会社の既存資産を活かしたWebビジネスの提案を行うために、AdobeMuseのエキスパートが実演をまじえ、より具体的に解説する。

セミナー内容の詳細は、講師の石井千春氏がAdobeMuseで作成したセミナー案内サイト
http://2016webbusiness.businesscatalyst.com/
もご覧ください。

開催日程・開催時間

2016年8月4日(木)15:00-18:00(受付開始:14:30より)+情報交換会★飲物付き

詳細

■15:00-15:10 オリエンテーション

公益社団法人日本印刷技術協会

■15:10-16:40  Adobe Muse は、なぜ印刷会社に向いているのか?

Creative Edge School Books
 境 祐司 氏

  • Adobe Muse は紙媒体のデザイナー向けに設計されたWeb ツール
  • HTML やCSS などのWeb の知識を必要としない理由
  • Web 制作会社と競合しない新しい「Web のチラシ」制作に注目(事例紹介)
  • Muse のワークフローを5 つのポイントに絞って解説(実演)
  • デザインツールと同じ直感的作業で高度なWebページを作成する手順(実演)

■16:40-18:00  Adobe Muse で、どこでもできないものを創る!

ベンティクアトロ株式会社
代表/グラフィックデザイナー 石井 千春 氏

  • Adobe Muse による戦略的販促サイトとは
  • 印刷物と連動する戦略サイトのデモンストレーション

■18:00-  情報交換会
●わからないこと不安なことは納得できるまで質問してください (ドリンクつき)

会場

日本印刷技術協会 3Fセミナールーム
(〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11)

参加費

12,960円(税込)、JAGAT会員:8,640円(税込)

印刷総合研究会メンバー:2名まで無料( [上級]3名まで [特別]5名まで)

申込

Webからお申込み

Web申込フォーム に必要事項をご記入のうえ、ご登録ください。

FAXからお申込み

・この申込書をプリントして必要事項をご記入の上、 FAX(03-3384-3216)にてお申し込みください。
(印刷総合研究会メンバーの方は、別途送付の専用申込み用紙をご利用ください)

問い合わせ先

内容に関して
研究調査部 印刷総合研究会担当 電話:03-3384-3113(直通)

お申し込み及びお支払に関して
管理部 電話:03-5385-7185(直通)

drupa2016は印刷ビジネスの未来を見せてくれたのか

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5月31日から6月10日に開かれたdrupa2016の報告会が各地・各所で行われている。報告の中では往時の勢いはないという印刷ビジネスの苦境というか環境の変化に言及する声も聞こえてくる。それでもdrupaが近未来の印刷技術関連の動向や製品トレンドを知るうえで、最も期待と注目度が高い世界最大の印刷メディア産業の展示会としての位置付けは不変だ。

しかしながら80年代、90年代までのように技術革新に基づいた画期的な新製品が登場し、次のメシのタネを探すことができた状況は変わったようだ。

とはいえ、もともとdrupaは商談の場であり、各種の技術や製品を見てビジネスを創り出せるかは来場者の意識・姿勢次第ともいえるのかもしれない。特にdrupa2016では各社からB1サイズ対応のインクジェット印刷機が出展されたわけだが、今後は生産機としてどのように印刷ビジネスで活用されていくのか注目したい。

また、加飾や表面加工などの展示も賑わったようで、いかに印刷物の価値を高めていくかについてもさまざまな提案がなされているということだろう。JAGATinfo7月号では、drupa2016の模様を速報ということで報告している。次号8月号では第2弾レポートとしてdrupa2016の注目すべき部分、それらがこれからの印刷ビジネスで意味をすることを考察し報告する予定である。

drupa2016報告を聞いて感じるのは、単にすぐれた機器を導入する商談の場だけではなく、それらを活用して印刷物が顧客の納得できる価値を提供して選ばれるような仕掛けづくりや、印刷物が必要になる理論的な裏付けをしっかりと顧客に説明できるソリューションを見つけることができる展示会の必要性である。しかしそれは、もはや印刷関連機器だけの展示会では難しいのかもしれない。その意味でpageは新たな方向性を模索しており、page2017に向けていろいろと企画中である。

その一方で、いかにビジネスを広げるかということでは、先日の取材で、印刷会社から独立してクロスメディアビジネス事業を展開する会社を設立したJAGATクロスメディアエキスパート認証資格の取得者から印象的な話を聞いた。

販促企画の提案で動画やウェブ、SNSなどのメディア制作をしていると、印刷物の活用が必要になるタイミングやシーンが出てくるという。そのときに、「なぜ、その場面で印刷物が有効か」を感覚的ではなく、しっかりと論理的に説明できると顧客は印刷物も活用するし、実際に効果を上げることができるという。もともと印刷メディア制作を行っていたこともあるが、各メディアの特長をよく知ることで最適なメディア連携の提案を行っているわけである。(ちなみに論理的思考の重要性を認識し、勉強するのにクロスメディアエキスパート資格の取得がきっかけになったという)

逆の見方をすると、今の時代に販促をする場合に印刷物だけを制作しておしまいということはなくて、その周りにはさまざまメディア制作があるわけだ。それらをしっかりと確保できればビジネスは広がるということである。だからこそ印刷会社にもマーケティングの実力が必要になるし、クロスメディアビジネスが有効となるわけである。

(JAGAT info編集担当 小野寺仁志)

2016年7月号目次はこちら

次回のpageはココが違う!

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(page出展社の皆様へ)

2017年2月に開催するpage2017は、1988年の「page’88」の開催から数えて節目の30回目を迎えます。
8月1日の出展募集開始を前に、page2017の新企画、出展社のビジネス拡大に寄与するおススメプランをご紹介します。

「印刷パートナーゾーン」の設立(新企画)

「印刷パートナーゾーン」とは、印刷会社とのコラボレーション、パートナーシップを目指す印刷会社のための出展ゾーンです。page展の来場者の2/3を占める印刷関連業の方々にPRができるゾーンを今回初めて設定しました。

首都圏の営業拡大を図る地方の印刷会社や、独自技術や独自ソリューションの販路拡大をしたい印刷会社などの出展を募り、来場者とのビジネスマッチングやコラボレーションを図ることで、印刷業の活性化を促進します。尚、この「印刷パートナーゾーン」に関する企画説明会を8月3日(水)14時より、JAGATにて行います。詳細はこちらをご参照ください。

 

「出展見どころ情報」冊子の発行(新企画)

「印刷・メディアビジネスの総合イベント」として30年定着し、会期中延べ7万人が来場するpage展は、それだけで一つの強力なメディアと言えます。
そのpage展の出展社の見どころ、見せどころをコンパクトに集約した「出展見どころ情報」と言う小冊子(ミニカタログ)を発行し、来場者に配布します。

 

出展社主催「スポンサーズセミナー」は複数プランを設定

出展社主催の「スポンサーズセミナー」は、年々人気が高くなっており、多くの来場者の方々が参加されています。今回、会場規模や使用時間に応じた複数のタイプを設定します。
「展示ブース内のプレゼンコーナーでは訴求し切れない内容をスポンサーズセミナーで解説する」といった展開も可能となります。

 

この他にも、出展社の要望に応える様々な企画を検討中です。詳細が決まり次第、随時JAGATのHPでお伝えしていきますので、ご期待ください。

page2017出展のご案内

(page2017事務局 堀 雄亮)

『page2017』、8月1日より出展募集開始 新ゾーン「印刷パートナーゾーン(仮称)」を設置

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公益社団法人日本印刷技術協会(略称:JAGAT、本社:東京都杉並区、会長:塚田司郎)は、2017年2月8日(水)から10日(金)までの3日間、同サンシャインシティコンベンションセンターにて『page2017』を開催、この度、出展社の募集を開始いたします。

 

page展は、「カンファレンス」「セミナー」「展示会」で構成される印刷メディアビジネスの総合イベントで、機材展にとどまらずデジタルメディア分野までとらえた展示内容で、その動員力とインパクトは業界の方向性を示唆する展示会として、出展社・来場者双方から評価を得ています。また今回は開催から30 回目の節目にあたり、新たに「印刷パートナーゾーン(仮称)」を設置します。

「印刷パートナーゾーン(仮称)」は、印刷会社とのコラボレーション、パートナーシップを目指す印刷会社のための出展ゾーンです。来場者の2/3を占める印刷関連業の方々に、自社技術やソリューションをアピールすることができます。首都圏の営業拡大を図る地方の印刷会社様、独自技術や独自ソリューションの販路拡大を図る印刷会社様などの出展を募ります。
またその「印刷パートナーゾーン(仮称)」の企画説明会を8月3日14時よりJAGATにて行います。

<出展募集期間>
2016年8月1日(月)~2016年10月14日(金)まで

<申込方法>
出展申込書に必要事項記入の上、page2017事務局宛てに郵送してください。
◆「page2017」出展案内・出展申込書JAGAT公式Webサイトよりダウンロード可
※締切日前であっても、申込小間数が予定小間数に達したときは、予告なく締切日を繰り上げることがあります。
※出展の有無、出展ブース位置に関しましては、弊協会にて事前に確認をさせていただき、決定させていただきます。

 

page2016 展示会場の様子

 

<開催概要>
展示会名称: page2017
展示会会期: 2017年2月8日(水)~10日(金) 10:00~17:00
展示会場: サンシャインシティコンベンションセンター 展示ホールB・C・D
主催団体: 公益社団法人 日本印刷技術協会(JAGAT)
後援・協賛: 経済産業省、他関連業界団体を予定
展示会出展社数・小間数: 145社・510小間(page2016実績)
入場料: 1,000円(税込)
来場者数見込み: 70,000人

 

 

pdficon_small ニュースリリースのダウンロード
pdficon_small 「page2017『印刷パートナーゾーン(仮称)』企画説明会」開催概要のダウンロード

 

【出展に関するお問い合せ】
〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11
公益社団法人日本印刷技術協会 page2017事務局 堀・奥田
TEL:03-3384-3112 FAX:03-3384-3116 Mail: page@jagat.or.jp

【リリースに関するお問い合わせ】
広報担当 まで TEL 03-3384-3113 FAX 03-3384-3168

【クロスメディアキーワード】アイデア発想法

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クロスメディアキーワード【第9回】

「ブレーンストーミング」は、集団によるアイデアの抽出法として、多くの人々に知られている手法である。また、「構造化」は、アイデアの断片をまとめるためにロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングといった論理的思考を活用した手法である。

ブレーンストーミング(Brainstorming)

ブレーン(頭脳)とストーム(嵐)から、「頭脳の嵐」と名称がついた会議手法であり、アレックス・F・オズボーンが考案した。別称として「ブレスト」、「BS」などと呼ばれる。

新しい企画の立案や複雑な問題の解決は、合理的な手法を用いることにより、適切な答えを導くことがある。そのためには、考えられるアイデアを事前にすべて 出すことが望まれる。個人のアイデア量には、限界がある傾向があるため、集団により意見を出し、互いを刺激し合うことで、より多くのアイデアを生み出す会 議手法が、ブレーンストーミングである。進行役が議案の主旨(テーマや目標)を示した後に、参加者が自由に意見やアイデアを出す進行となるが、ブレーンス トーミングには4つの原則がある。

1.批判の禁止
 参加者の発言を活性化させるため、他者の発言を批判しない。

2.自由奔放
 ユニークで斬新なアイデアを促すため、自由奔放な発言を歓迎する。思いもよらない解決への糸口が期待できる。

3.質より量
 ブレーンストーミングでは、勢いが重要視される。発言は多いほど好まれる。可能な限り多くのアイデアを出す。

4.連想と結合
 他の参加者が、一部のアイデアに便乗することを歓迎する。発言の融合や、一部の変更を行う。

構造化

構造化とは、「複雑に見えるものを幾つかの要素に分解し、それぞれの関係を明らかにし、全体と部分の関係性を明示する」方法である。

  • 全体から細部にいたるまで、各要素間の関係が明確になり、整理された状態で一覧できるようになること。
  • 各要素間の関係に明確な理由(根拠)があるため、導かれた結果には説得力をもつこと。
  • モレやダブりが発生しにくくなること(MECEの考え方を導入すると良い)。
  • 各要素の組み合わせを変更することにより、全く新しいアイデアや問題の解決にも応用できること。

などが構造化に共通するメリットである。

特性要因図
原因と結果との関係を表した図を指す。問題(特性)と、その原因(要因)との関係を表す手法として、主にQC(Quality Control:品質管理)の分野で使用されている。魚の骨の形に似ていることから、「フィッシュボーン・チャート」や「魚骨図」とも呼ばれる。QCサー クルの生みの親である石川馨工学博士が考案した。

親和図法
QCにおける情報整理法を指す。既存の知識では体系化しにくい情報やアイデアをカードに記述し、問題点と解決案を導き出す手法である。川喜田二郎(文化 人類学者)が開発したKJ法を起源としている。親和図法は、「カード化した言語データの意味の近さ(親和性)に着目し、同類項ごとに括ることにより、構造 (全体と部分の関係)を明確にする」という特徴がある。

例題

次の文中の空欄[A]~[C]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

ブレーンストーミングは、議題についてのアイデア出しや問題点の[A]などを目的とした、複数人が参加し自由に意見を述べる手法であり、新たな発想を生み だすことが期待できる。人数制限はないが、5~7名、場合によっては10名程度が好ましいとされる。議題については、参加者に予め周知することが望まれ る。

結論を出し判断を下すような必要がある場合に[B]手法である。議論が一つの方向に偏ってしまうことや、回数を重ねたことによる本題 から離脱、論理に頼った先入観などにより、発想が[C]化する傾向の存在を指摘する声がある。したがって、結論を出し判断を下す場合は、改めて情報整理を 行うことが求められる。

[解答群]
 ①A:解決 B:向いている C:硬直
 ②A:列挙 B:向かない C:硬直
 ③A:解決 B:向かない C:弾力
 ④A:列挙 B:向いている C:弾力

[解答]
 ②A:列挙 B:向かない C:硬直

※本ページの内容は掲載当時(2013年12月)のものです。

ユーザーの購買意欲を喚起する写真、イラストの選定方法

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-ブランディング×デザイン力で印刷会社のソリューション力を高める【第10回】 最終回

ブランド・イメージをデザインで表現する上で、広告媒体に掲載する写真の選定は重要である。ユーザーの購買意欲を喚起するための写真ビジュアルの表現方法について考える。

※本稿では顧客の定義を以下の通りで記している。
・印刷会社の顧客(以下、顧客)
・印刷会社の顧客の顧客(以下、ユーザー)

 

●ブランド訴求に欠かせない写真やイラスト

印刷会社が顧客へブランディングの支援を行う際、顧客の商品・サービスのブランド・イメージを、ユーザーへ適確に訴求することが大きなミッションとなる。そして、適確に表現する際に重要になるのが写真やイラストだ。広告・販促物のメイン(アイキャッチ)に使われ、ブランドの価値がどのようなものかを瞬時に伝えることができるため、広告・販促物の成果に大きく影響する。
戦略的に写真やイラストを選定する方法はいくつもあるが、本編では広告・販促物を通して、商品・サービスのブランド・イメージをユーザーに的確に伝えることができる選定方法を中心に紹介する。

 

●商品、サービスの特徴を考慮した写真やイラストの選定方法

最初に顧客の商品・サービスの特徴について考えるが、以下の4つのマトリクスに分けて考えていく。「形のある」ものか、「形のない」ものなのか。そして、ユーザーがその商品・サービス(広告・販促物等を含める)に触れたときに、内容をすぐに「理解できる」のか、それとも「理解できないのか」で分ける。

 

gazo10-001

 

顧客の商品・サービスは各象限のどこに当てはまるかによって、広告・販促物のメインに使う写真やイラストを選定していく。まずは、Aの象限は、例えば保険や金融商品、美容院、病院などが考えられる。これらは利用後のイメージが見えにくく、ユーザーの不安が大きいものである。利用後の結果がイメージできるものや、喜びを表した写真やイラストを選定することで、商品・サービスの価値をユーザーに伝えることができる。

 

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利用後の喜びや満足

 

Bの象限に当てはまるものは目に見える商品・サービスで、どのようなものか誰でもわかりやすいものである。競合が多く商品・サービスも同質化したものが多いので、同業他社との違いが明確にわかる写真やイラストにすることで、価値を伝えることができる。飲食店であれば「美味しそう」と感じられるシズル感のある写真を選ぶことで違いを表すことができる。

 

他との違いを打ち出すシズル感

他との違いを打ち出すシズル感

 

Cの象限は、商品・サービスのイメージが全くわからないもの、今までにない新たなカテゴリーの商品・サービスを開発した場合がそれにあたる。この場合は、どのような商品・サービスかを先に説明するのではなく、それを利用すべき理由や利用すべき対象になるターゲットをユーザーに認識させるような表現の写真やイラストがよいであろう。例えば、日々忙しい会社員の業務を効率化する商品・サービスなどでは、忙しく働いている会社員の写真等をメインで表現する。対象になるユーザーは「自身に関係あるもの」と感じることになり、それによって商品・サービスの価値を伝えることができるのである。

 

忙しい営業マン対象のビジネス

忙しい営業マン対象のビジネス

 

Dの象限は、形のあるものとはいえ使用方法が不明なもので、例えば美容・健康用品などが当てはまる。この場合は、利用方法や効果を広告・販促物の先が読まれやすくなり、価値を伝えることができる。実際の利用の状況や利用するまでの不安を低減する写真やイラストを使う。

 

美容・健康器具の使用法

美容・健康器具の使用法

 

ブランディングは、ユーザーが商品・サービスに「どのような認識をしているのか」「どのような感情を持っているのか」など、顧客視点に基づいて考える。ユーザーが広告・販促物に触れた際に、まず視点が行くアイキャッチの写真やイラストが顧客視点で考えられているものは、商品・サービスのブランド・イメージを表現されたものとなり、より成果を期待できるのである。

 

 

 

小澤 歩(おざわあゆむ)
有限会社グレイズ代表取締役  http://ozawaayumu.com/
(財)ブランド・マネージャー認定協会マスタートレーナー  http://www.brand-mgr.org/

 

目次
第1回 gazo01-1_Thumbnail 印刷会社に求められる顧客ビジネス支援のブランディング [2015/10/23] 
第2回 gazo02-1_Thumbnail 印刷会社がクライアントに提供すべきもの
[2015/11/27]
第3回 gazo03-1_Thumbnail 印刷会社が取り組むべきブランド戦略構築の流れ
[2015/12/01]
第4回 gazo04_Thumbnail 活動の軸になるブランド・アイデンティティとは
[2016/01/05]
第5回 gazo05_Thumbnail 顧客の心の中で自社を占めるポジショニング
[2016/02/05]
第6回 gazo_ozawa201405 印刷会社ができるクライアントのブランド価値の表現
[2016/03/08]
第7回 gazo_ozawa201405 ブランドの価値は世界観とトーン&マナーでつくる
[2016/03/11]
第8回 gazo_201407_01_thumbnail デザインを統一するトーン&マナーのつくり方
[2016/04/8]
第9回 gazo09-001 ブランド・イメージをユーザーに届けるためのデザイン表現方法とは?
[2016/05/12]
第10回
最終回
gazo10-001 ユーザーの購買意欲を喚起する写真、イラストの選定方法
[2016/07/15]

 

【クロスメディアキーワード】インターネットとメディア

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インターネットは生活者に溶け込み、スマートフォンやタブレット、ケータイ、パソコン、テレビなどを通じ、経済活動だけでなく、息抜きや創作活動 などにおいても幅広く利用されている。ビジネスパーソンにとってインターネットは、最も接触機会が多いメディアを支えるコミュニケーション手段である。し たがって、ビジネスパーソンをターゲットとする情報は、インターネット上で常に増え続けている。しかしWebサイトの中でも、ビジネスパーソンが情報収集 を行う際に利用が想定されるコーポレートサイトでは、評価が低いものも少なくない。Webサイトの評価は、システム構成やデザインだけで高まるものではな く、目的に合ったメディア戦略によるコンテンツ展開により成果が期待できる。

メディア活用の最適化を目指し

インター ネットは、明確なメディア戦略を持ち事業活動を行っている組織にとって、非常に有効な通信手段であることはいうまでもない。通信販売市場は、インターネッ トの普及により大きく変貌を遂げると共に規模を拡大している。インターネットによる通信販売市場の拡大は、購買履歴の活用による注文の簡便化や、受注処理 や決済処理の自動化による管理コストの削減による割引販売の実現といったメリットによるところがある。インターネットは、消費者だけでなくサービスを提供 している事業者にとっても、効率化による恩恵をもたらしている。

Webサイトとコミュニケーション

顧客との接点を目的 としたWebサイトの展開により、発信する情報(コンテンツ)を工夫することで、さらなる効率化をもたらしている。使用方法や修理の問合せなど、商品の購 入者に対する情報発信をコンテンツとして展開することは、その対応業務の簡略化に繋がる。メディア戦略によるWebサイトの展開は、製品やサービスのプロ モーションだけ目的とするのでなく、コスト削減を目指すこともできる。

メディア戦略の重要性

会社組織には、事業継続のため、収入と支出の両面でバランスを考慮したメディア戦略の策定が望まれる。効率化による収益の獲得は、さらなる成長への源泉になる。
印刷物の製造やWebサイトの構築を行う事業者は、顧客となる会社組織との関係を密にし事業構造を理解することで、総合的なソリューションを提供できる ようになる。事業構造の理解とメディア戦略の視点を持つことで、情報のクロスメディア展開によるソリューションを生むことができる。「コミュニケーショ ン」や「経営」、「情報技術」など、メディア戦略に関する要素は、様々な事業を支えるものである。

クロスメディアエキスパート認証制度

IT(Infomation Technology)の発展により、様々な会社組織の情報管理が合理的に行われ、コンピューターシステムとメディアの関係は深度を増している。それとと もに、メディア戦略の役割は大きくなる。クロスメディアエキスパート認証制度は、メディア戦略により社会を支える人材育成プログラムである。

資格制度事務局

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年10月)のものです。


出版・デザイン・編集からみるコンテンツビジネスの展望

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本セミナーでは、コンテンツビジネスの現状と今後の展望・課題について、「出版」「デザイン」「編集」の観点から考察する。

具体的には、長年ブックオンデマンドビジネスを展開しているコンテンツワークスの事例を紹介する。また「文鳥文庫」や「旬八青果店」といった事例をもとに停滞する従来のビジネスモデルを、デザインの力で刷新する方法を文鳥社より紹介する。そして、ロフトワークからはデザイン、コミュニケーションにおける編集的思考の重要さを確認して、今後のコンテンツビジネスの戦略を探る。

【講師からの言葉】
・オンデマンドビジネを15年行っていて、多くの失敗を経験してきました。今後同じようなビジネスを検討されている皆様に失敗事例をシェアすることにより、ビジネスの一助になればと思います。(コンテンツワークス 荻野明彦氏)

・アイデアや企画があれば、新しい道が開けるはずです。もっと誰もがアイデアやデザインを生みだすことに役立つ話をしたいと思います。(文鳥社 牧野圭太氏)

開催日程・開催時間

2016年7月29日(金) 14:00-17:00(受付開始13:30より)

詳細

■14:00~14:50 
「オンデマンドプリントビジネスの本質」 
  1)コンテンツワークスのビジネスモデル
  2)これまで実施してきたこと
  3)今までやってきて得られた教訓
  4)結論・今後の展開

コンテンツワークス(株) 代表取締役 荻野 明彦 氏

【講師プロフィール】
富士ゼロックスでネットワーク製品の営業を経験した後、新規事業開発室をへて、コンテンツワークス設立にかかわる。その後2008年にMBOを実施し、現在に至る。

■15:00~15:50
「デザインやクリエイティブを事業に活かす!」
停滞する従来のビジネスモデルを、デザインの力で刷新する方法をご紹介。
  1)自己紹介
  2)「文鳥文庫」「旬八青果店」などの事例紹介
  3)デザインとは何か

(株)文鳥社  代表 牧野 圭太 氏

【講師プロフィール】
1984年生まれ 31歳  早稲田大学理工学部卒業 東京大学情報理工学系研究科修了。 2009年博報堂に入社。 2015年デザイン会社「文鳥社」を設立。 文鳥文庫の販売や旬八青果店のプロデュースに携わる。

■16:00~16:50
「コンテンツをデザインする編集的思考(仮)」
  1)コンテンツとは情報をパッケージしたもの
  2)コンテンツは乗り物がいてはじめて成立する
  3)デザインは情報か乗り物か、どうとらえる
  4)コンテンツを体験まで含めてデザインする
  ・事例 -空間・プロダクト・コミュニケーション・WEB
  ・まとめ-編集的思考の重要さ

(株)ロフトワーク グロースハッカー 原 亮介 氏

【講師プロフィール】
関西のファッション/カルチャーマガジン編集長、ロボットテクノロジー関連ベンチャー、戦略PRコンサル会社を経て、2014年6月よりロフトワーク所属。クライアント企業のオウンドメディア、サービスのグロース戦略・戦術の企画を主に担当。編集が好き、声が素敵と言われる。ヒトの心を動かすコミュニケーションをテーマに、その本質的なメカニズムと最先端の手法を研究中。ハフィントンポストでブログも執筆。

【開催・申込要項】

会場

日本印刷技術協会 セミナールーム (〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11)

参加費

印刷総合研究会メンバー:無料
[一般]2名まで [上級]3名まで [特別]5名まで

一般:15,120円(税込)、JAGAT会員:10,800円(税込)

Webからお申込み

Web申込フォームに必要事項をご記入のうえ、ご登録ください。

FAXからお申込み

・この申込書をプリントして必要事項をご記入の上、 FAX(03-3384-3216)にてお申し込みください。
(印刷総合研究会メンバーの方は、別途送付の申込み用紙をご利用ください)

問い合わせ先

内容に関して 研究調査部 印刷総合研究会担当 電話:03-3384-3113(直通)

お申し込み及びお支払に関して 管理部 電話:03-5385-7185(直通)

印刷産業の事業所数【印刷界OUTLOOK2015/2016】

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印刷業、製版業、製本業、印刷物加工業、印刷関連サービス業から構成される、印刷産業。事業所数は2万以上、製造業のなかでも5番目に多い事業所数です。

JAGATでは、「印刷界OUTLOOK」として印刷・同関連業に関係するさまざまなデータを各種統計資料から選びました。>>印刷界OUTLOOK2015/2016

日本経済に一定の地位を占める印刷産業

経済産業省「平成25 年工業統計表 産業編」によると、2013 年の印刷・同関連業の事業所数は、2 万7026(前年比4.3%減)と、製造業全体(41 万802)の6.6%を占めています。製造業24 業種においては、金属製品製造業(5 万5556)、食料品製造業(4 万3320)、繊維工業(4 万128)、生産用機械器具製造業(3 万7389)に次ぐ、製造業24 業種中上位5 番目の多さ。ちなみに事業所総数が5 番目の多さという結果は、2008 年から6年連続となっています。

印刷・同関連業の約2万7000 事業所は、書店数(1万3943、2014 年)の約2 倍、保育園・保育所(2 万4425、2014年)より若干多く、ガソリンスタンド(3万3510 店、2014 年度)より約20%少ないという規模感です。

印刷・同関連業の事業所数推移を見ると、1988 年の4万7500 をピークに長期的な減少傾向にあります。2010年からは2 万台で推移、四半世紀を経た2013 年の事業所数は、ピーク時の55%となっています。詳細は後述しますが、印刷・同関連業では最多の印刷業が8 割弱を占めます。特に多いのは「オフセット印刷業(紙に対するもの)」。

全体の約6 割を占める1 万6399 と、統計結果を見ると、印刷・同関連業の主流は、紙に対するオフセット印刷業であるといえます。

10 人未満が8 割、バラエティーに富む印刷産業

印刷・同関連業は、印刷業、製版業、製本業、印刷物加工業(印刷物の光沢加工や裁断、箔押しなど)、印刷関連サービス業(校正刷り、刷版研磨など)の5 業種から構成されています。

各事業所数の内訳を見ると、印刷業が2 万1599(構成比79.9%)と約8 割、残りを製本業1879(同7.0%)、印刷物加工業1756(同6.5%)、製版業1523(同5.6%)、印刷関連サービス業269(同1.0%)の順で占めています。

印刷・同関連5 業種について1970 年以降の推移を見ると、現在、構成比5.6%の製版業は、1974 年から
2007 年までは印刷業に次ぐ多さで、1990 年代の初め頃は14%前後の構成比を占めていました。製本業は1995年頃から現在の構成比7%前後、印刷物加工業は1980年頃から現在の構成比6%前後で推移しています。印刷業は唯一、構成比を高め続けていますが、これは事業環境の変化を受けて業種間の垣根が下がり、結果として各業種を内包する「印刷業」が増加したことを示しています。

印刷・同関連業は、全事業所の54.9%(1 万4826)が従業者3 人以下、4~9人の事業所(6122、22.7%)
と合わせると、10 人未満の事業所が約8 割を占めます。

これは、煩雑な製品設計による個別受注生産が多く、繰り返し生産が少ないこと、印刷物の地産地消的性質により中小企業も競争力を発揮できる、という印刷製品の特性が影響しています。

印刷産業は、企業規模の大小に関わらず、地域経済において一定の存在感を示せる点が大きな特徴、魅力となっています。その一方では、その数の多さから再編の余地を多分に持つ産業ともいえます。

(「印刷界OUTLOOK2015/2016」より)

【DTPキーワード】ページものの様式とデザインの定石

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原稿指定や制作の作業に先だって、どのような本にするかを計画するのが造本設計である。
本文の組見本を作りながら、仕上り寸法である判型を決め、縦組、横組などの組方向を決め、その中で余白を除いた版面を決める。
判型と判面の間には章/節を表す「柱」が入る。また縦組では頭注、脚注など余白部分に組み込まれるものがある。これらの組み方のスタイルも決めておく。

判型、組方向、本文文字サイズ、行間、1 行の字詰め、1 ページの行数は相互に関係しているので、目的に合わせてそれらのバランスを見つけるのが紙面の基本デザインで、エディトリアルデザインの一部である。
エディトリアルデザインとは出版編集における視覚表現の計画および技術のことである。
企画および編集方針に従い、一貫した外装および内装の視覚演出構成を行う。出版物の最終的な視覚表現のすべてに責任を持ち、レイアウトおよびブックデザインに関して一貫したデザインポリシーを持たねばならない。
エディトリアルデザインの扱う要素は、組み文字の視覚化技法であるタイポグラフィ、描き文字であるレタリング、写真、美術絵画、イラストレーションなど表現のすべてにわたる。
エディトリアルデザインの作業は組版、印刷、製本を経て完成するもので、イメージを作るだけでなく設計図としてデータ化しなければならない。
DTPの使用はこれらの明確化に役立つ。

レイアウトデザインの役目は、図像の配置、組み合わせによってある印象を演出することである。
配置される対象同士の関係を集中・分散、形状の類似、連続・非連続、方向の揃いなどの点で考慮すると、秩序だってまとまった印象を与える。
レイアウトデザインは、どのように目を誘導するかという意図をベースに行うので、無秩序な配置は、曖昧で散漫な感じを与え、デザイン表現の効果は出てこない。

ページ内の構図は、ピラミッドのような三角形にすると安定した感じになり、上下を逆にすると不安定な感じがする。
シンメトリーな構図は、バランスがとれた印象を与えるが、単調になりやすいので、ホワイトスペースや写真の扱い方で変化やアクセントを加えることが必要となる。「非対称」の構図は斬新な印象になる。
ページ内では図形や図形の位置関係によってある力が働き、何らかの心理的効果をもたらす。安定感、不安定感、動き、流れをレイアウトによって作り出すことができる。
横組みの場合は、視線は基本的に左上から右下へ流れるので、時間や工程などの流れを表現するチャートや表組などは一般にはこの流れに沿った配置にする。
特に強調したい場合などは意図的に流れに逆らって配置するが、横組みでは一般にキャッチフレーズや見出しなどは左上に置き、ロゴタイプや社名などは下の安定した場所に置くことが多い。
配置が無秩序になると、印刷物の意図が明確でなくなる。曖昧で散漫な感じはデザイン表現の効果は出てこない。

レイアウトは偶然に頼るのではなく、グラフィックデザインの系統的な展開法を学んで活用する必要がある。
文字、図形、画像の配置を規則的に変化させるものとして、人間の感覚にとって自然な印象を受ける対数、フィボナッチ級数、螺旋、黄金分割などの原理を利用するとよい。

レイアウト定石

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一
(Jagat info 2014年11月号より転載)

コミュニケーション手段の変革

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インターネット広告が台頭したことで、マスメディアによる広告がシフトするといった発想は成立しない。テレビコマーシャル用に制作された映像をイ ンターネットで配信するといった、マスメディアによる広告と同様の情報発信は、認知度の向上には寄与するが、コミュニケーション手段の変化に対応している とは限らない。

コミュニケーション手段の変革

事業を拡大させるために、広告だけに頼ることは考え難いが、インターネットだけを頼る行為も不完全である。IT(Infomation Technology)の発達が、事業活動に及ぼす影響を理解することが重要である。

クロスメディアエキスパート認証制度のカリキュラムでは、ITによる経営や商取引などの変化を取り上げているが、単なるWebサイト構築や販促物の制作にとって、直接的な関係性を感じにくい。

クロスメディアエキスパートの人物像は、「メディア戦略のコーディネーター」となるディレクターやプロデューサーを想定しているが、「メディア戦略のコー ディネーター」は、事業展開の核心と強い関係性を持つと考えている。下図の左側は事業主である顧客や自社であり、事業主の中には経営革新を推進する人物が おり、その人物はメディア戦略に着目している。

事業の変化に伴い、メディア活用に助言することが、クロスメディアエキスパート認証制度で示すディレクターやプロデューサーの役割である。

事業構造の変化は様々であり、SCM(Supply Chain Management)については、様々な製造業で業界横断的に進行し、「現場」では一般的なものとなっている。山間部に住む高齢者が、山で様々な「葉」 を採取し、料亭に卸すビジネスモデルがテレビ放送で取り上げられていた時期があったが、その後は、書籍まで出版された。インターネットを活用することで、 料亭は地産の材料調達が容易になった。

求められるメディア戦略のコーディネーター

様々な事業活動では、 CRM(Customer Relationship Management)による効率化だけでなく、マーチャンダイジングや需要予測などが変化した。クロスメディアを前提としたメディア戦略の立案では、 様々な生活者とのコミュニケーション手段として、デジタルメディアの存在が不可欠となる。 事業者はグループウェアを導入し、利害関係者との情報共有を行 い、オープンなコミュニケーション手段の確立を目指す。コミュニケーション手段を確立するツールは、インターネットに接続するパソコンに留まらず、ケータ イやスマートフォンなどのモバイル端末が利用され、クラウドやSNS(Social Networking Service)などのサービスが活用されている。

クロスメディアエキスパートの領域では、全体最適を考慮したコミュニケーションシステ ムの構築が求められる。メディア戦略とデジタルメディアの関係は、感覚的なものではなく、技術革新が事業構造に影響を与える。プロモーションだけではな く、コストを勘案した改善施策が求められる。改善施策の実行は、結果としてクロスメディアによる生活者との効率的コミュニケーションシステムを実現するこ とにつながる。事業戦略を支えるメディア戦略をコーディネートする人材の育成をクロスメディアエキスパート認証制度は目指している。

資格制度事務局

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年10月)のものです。

夏休み体験教室関連イベント:オリジナル小型印押印サービス開催!

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印刷博物館では、夏休み体験教室開催期間中、文京水道郵便局(東京都)の臨時出張所を入口に開設し、活版印刷体験で使用するアダナ印刷機をデザインした限定のオリジナル小型印を押印します。

 

20160710114656

期間中、臨時出張所にて受け付け、もしくは臨時出張所に設置する専用ポストに投函された郵便物にはオリジナル小型印が押され発送されます。※消印は翌日以降の日付となる場合があります。
体験教室でつくったハガキや、持参いただいた郵便物に特別な消印を押して送ってみませんか?
みなさまのお越しをお待ちしています。

実施期間     :2016年7月21日(木)より8月31日(水)
          ※休館日(月曜日)は文京水道郵便局にて押印
記念事項名称 :活版印刷2016 カラフルなハガキをつくろう
開設場所     :印刷博物館 B1F エスカレーター前
開設時間    :臨時出張所 10:00~15:00(12:00~13:00は昼休み)
           専用ポスト 開館中(10:00~18:00)随時受付
※体験教室 カラフルなハガキをつくろうにて印刷したはがきは、乾燥するまでにおよそ一日かかるため、体験を行った当日に郵送することができません。あらかじめご了承ください。
また、消印押印には所定の郵便料金分の切手が必要です。オリジナルフレーム切手(販売価格100円、額面52円)の販売も行います。

詳しくは日本郵便株式会社のサイトを参照ください。

pdficon_small ニュースリリースのダウンロード

お問い合わせ:印刷博物館 学芸企画室 03-5840-2300

【DTPキーワード】商業印刷物

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商業印刷物とはパンフレット、カタログ、チラシなどの宣伝/広告に使われる印刷物を指す。内容は、ビジュアルに訴えることを主眼に、短い文章と図版(説明図/イラスト/写真など)などで構成され、カラー写真を多用する。
印刷物の目的を考えてコンセプトを立案し、サムネイルによってコンセプトをビジュアル化して、最終印刷物のアイデアをラフスケッチにする。併せて用紙、印刷加工の仕様を検討する。
印刷物の仕上がりが分かるように作成されたカンプで顧客の了承を取り、これをガイドにして制作が進められる。デザインが優先されるため、先行してレイアウトを行って紙面をブロックに分け、それに合わせてテキストやグラフィックを処理するのが普通である。
制作は、カメラマンやコピーライターなどが作成した写真や文字原稿を、ディレクターやデザイナーがとりまとめて進行する。
校正では、指示どおり作業されたかを確認し、写真などは印刷仕上がりを予測する。また、印刷・製本や納品の打ち合わせをし、高い印刷品質を求めるときには刷り出し時に立ち合い、確認する。サムネイルからカンプ作成、プレゼンテーションなどがDTP で処理できると、企画と制作工程とが連続したものとなる。

ビジュアル[visual]

視覚的なありさまで、ここでは視覚に訴える写真やイラスト、図表、グラフなどを多用したレイアウトをいう。ビジュアル優先の雑誌やポスター、カタログなどは、写真やイラストを先にレイアウトして文章の行数や内容をそれに合わせていく「先割り」進行が多い。

コンセプト[concept]

概念。観念。創造された作品や商品の全体に貫かれた、骨格となる発想や観点。

サムネイル[thumbnail ; thumbnail sketch]

親指の爪ほどのという意味から転じて、小さなスペースを意味する。広告、書籍、雑誌などの原稿制作において、その発想を小さなスペースにスケッチしたもの。
見出し、本文、写真や図の位置などがラフに書き込まれ、制作内容の説明や、スケジュールを立てる際にも用いられる。

ラフスケッチ[rough sketch]

単にラフともいう。広告や雑誌、書籍などにおいてデザイナーや編者が仕上がりイメージをクライアントに理解してもらうために写真、イラスト、文字の大きさと位置などを粗く描いたもの。ラフレイアウトともいう。

カンプ[comp ; comprehensive]

コンプまたはコンプリヘンシブともいう。ラフスケッチに対し印刷物のイメージにより近い体裁確認用のレイアウト。

カラーカンプ[color comp]

ラフスケッチより精度のよい色の付いた印刷仕上がりにより近いイメージをいう。色校正とは異なる。

顧客[client]

クライアント、得意先。継続している客。特に広告代理店が広告主を指していう語。最近ではほかの業種でも使う。

レイアウト[layout]

配置指示図。文字・イラスト・写真・図などを紙面内またはページ内に構成・配置するための位置・大きさが分かる指示図と指定用語。ほかに、サムネイルスケッチ(発想段階)、ラフレイアウト(やや詳しく)、フィニッシュレイアウト(詳細に)、コンプリヘンシブレイアウト(完成イメージのクライアント用)がある。
割り付け。

校正[proofreading]

校正刷りと原稿やレイアウトの指定との比較を行い校正刷り上で、誤りや不体裁の訂正を指示する作業。一人で行う突き合わせ校正と、二人で行う読み合わせ校正がある。著者または編集者が印刷会社で行う校正を出張校正という。校正が終了したものを校了紙といい、訂正箇所の確認を印刷会社に任せた校正を責任校了といい、責了と呼ぶ。また印刷会社からの校正刷りを著者や編集者に回すことを出校(回校)という。多色刷りの校正は原稿や指定と照合して色の調子が再現されているか確認し、色校正と呼ぶ。

製本[bookbinding]

印刷した紙葉を指定のサイズに折り、順序に沿ってまとめ接着剤や糸などで結合する作業。

刷り出し[advance sheet]

発注者に提出する校了紙に近い本機刷りの印刷物。

サムネイル
サムネイル
ラフスケッチ
ラフスケッチ
レイアウト指定
ラフレイアウト
印刷物
印刷物
有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一
(Jagat info 2015年4月号より転載)

メディアの複合利用

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クロスメディアキーワード【第7回】

クロスメディアとは、ある情報について文字や音響、映像などの様々な素材と、ペーパーメディアやデジタルメディアといった複数のメディアを用い、効果的な情報伝達を行う手法である。

複数メディアの利用については、生活者のメディア導線を予測したシナリオにより、メディア毎に適したコンテンツを用意し情報発信を行う。メディア利用の概 念については、「ワンソースマルチユース」や「マルチメディア」、「メディアミックス」など、「クロスメディア」と似た様々なものがある。

ワンソースマルチユース

ワンソースマルチユースとは、基となる印刷用データやWebサイト用データなどから、異なるメディアへコンテンツ展開を行う概念である。「マルチ (multi:複数の)」の意味としては、利用するメディアの数や、コンテンツの再利用回数といった解釈も可能であり、ワンソースマルチユースにより、コ ンテンツの制作効率を高めるといった意味を持ち合わせている。

印刷用に加工されたデータ利用し、他のメディアへ展開を行うには、データの 再加工が必要となる。ワンソースマルチユースを実現するために、印刷用データに含まれる寸法や書体指定のような情報は付加せず、他のペーパーメディアや Webメディア向けといった複数の出力を想定したデータ作成が求められる。

マルチユースは「データベースパブリッシング」の考え方と接な 関係がある。データベースパブリッシングは、リレーショナルデータベースを用い、条件に応じて自動レイアウトを行うシステムである。フォーマットがある程 度定型化されている大型のカタログやパンフレットなどの制作には欠かせないものであり、データベースに蓄積されたデータの活用は、当初のメディアに対する コンテンツ制作や再利用だけに止まるものではない。リーフレットやWeb、デジタルサイネージなど、様々なメディアへのコンテンツ展開を可能にする。

出力メディアを構成するコンテンツに関する情報をデータベース化し、メディアに合わせた検索を行い、データ抽出後に自動レイアウトする手法が普及している。

文書の型を定義付けられるXML(Extensible Markup Language)を利用したデータベースをシステムの中核にし、各々のメディアに合わせたスタイルシートを用意することで、フレキシブルなコンテンツ展 開も実現できる。XMLに対応したDTPアプリケーションを合わせて利用することで、変更や修正を行った箇所をデータベース内のデータに対し同期させるさ せることが可能である。データベースにより派生する、他のメディアのコンテンツに、自動的に反映することができる。このコンテンツ管理手法が「ワンソース マルチユース」といった概念であり、データベースパブリッシングは効率良く実現するための手段である。

クロスメディア

共通データのデータベース化は、情報のクロスメディア展開の際においても有効な資源となる。クロスメディアの概念では、必ずしも「基となるデータ」が1つ である必要はない。情報発信の効果を最大限にするため、「基となるデータ」に対しメディア特性を考慮した加工を施すことや、新たな「データ」を追加するこ とが求められる。

現代の生活者は、製品やサービスを購入する際に関連の詳細情報を求める傾向があり、得た情報の結果に満足しないと購買活 動へと至らないことがある。製品の機能を紹介する場合、プリントメディアでは文字や写真、図表での表現となるが、映像や音響の利用により製品の動きや音の 表現が可能となり、機能の理解度が飛躍的に高まることが期待できる。映像や音響といった「データ」を追加することで、Webコンテンツにより効果的な製品 の機能紹介を実現できる。また、モバイル端末向けWebサイトを併設する場合、端末の動作を考慮し、コンテンツのデータ量を削減する取り組みも求められる ことがある。

映像や音響を扱うテレビ放送であっても、製品の詳細機能を訴求するメディアとしての活用が難しい点がある。テレビ放送は、インタラクティブ性や検索性に欠ける部分があり、生活者が情報を得る際、目的の情報を見付け難いことがある。

クロスメディアを実現するためには、メディア特性を熟慮する必要がある。クロスメディアは「基となるデータ」を効率良く展開することではない。情報の発信 者が想定するシナリオを前提に、情報の受信者である生活者が行動することを促すために、様々メディアの持つ特性を理解しメリットを最大限に発揮させること が重要である。

コンテンツを構成する情報による相互作用や相乗効果を高めるために、クロスメディアの概念が活用される。また、クロスメ ディアでは、QRコードによるWebサイトへの誘導、ICカードを活用した本人認証や決済機能など、各メディアの連携を実現する「橋渡しの仕組み」も不可 欠である。クロスメディアは、制作効率の向上が目的ではなく、情報発信の目的を達成するためのメディア活用手法である。

メディアミックス

メディアミックスは、メディアを組み合わせて情報の到達を最大限にする、クロスメディアと近い概念である。異なるメディアを組み合わせ、活用することにより、各メディアの弱点を補う手法といった原義がある。

コンテンツは、映像でなければ伝えられない情報や、熟読しないと伝えられない情報など複合的に存在するため、必然的に使用するメディアも複合的になる。映 像での情報と紙面(誌面)での情報を連動させ、生活者のコンテンツに対する理解を強化するために、統一したビジュアル表現を採用することもある。個別のメ ディアにおいても、原則的には個別にコンテンツとして完結することを前提にしている。

現在では、特定の娯楽作品が一定の経済効果を持った時、その作品の副次的作品を数種類のメディアを利用を前提に多数製作することで、ファンサービスと販売促進を拡充する手法を指すことが多い。

例題

次の文[ア][イ][ウ]と用語群[A][B][C]の組み合わせとして、最も適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア 一つの素材を複数の媒体で利用することであり、複数の範囲には利用媒体の数の他、再利用等の利用回数も含まれ、効率性を重視している。

イ 文字、音声、映像など多様な形態の情報を組み込んだメディアのことである。

ウ 情報資源を複数の適切なメディアに展開することで、目的達成のためにシナジー効果をもたらす手法である。

[用語群]
 A:クロスメディア B:マルチメディア C:ワンソースマルチユース

[解答群]
 ①アとC イとA ウとB
 ②アとA イとB ウとC
 ③アとC イとB ウとA
 ④アとA イとC ウとB

[解答]
 ③アとC イとB ウとA

 

※本ページの内容は掲載当時のものです。


アメリカで商業印刷物が見直されている

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アメリカではリーマンショック以来紙の広告物は無駄であるという風潮が生まれ、印刷製作費はマーケティング部門におけるコストカットの対象とされてきたが、ようやく揺り戻しの時期が来たようだ。

「紙のカタログが見直される理由」

アメリカ商業印刷の出荷額も2013年の843億ドルを底に上昇に転じ、2014年6月から2016年3月まで22カ月連続前年越えしている。2015年の出荷額は前年比3.1%増の864億ドルとなっている。
2015年2月25日、『Harvard Business Review』のWeb版に「Why the Print Catalog Is Back in Style」(いま「紙のカタログ」が見直される理由)
というタイトルの記事が発表された。7月には日本語訳も発行されたこともあって、日本の印刷業界でも話題になった。
記事によると百貨店のみならず専門小売店、しかもネット通販小売店までもが紙のカタログの郵送を始めている。アメリカダイレクトマーケティング協会によると、2013年のカタログ郵送件数は調査以来初の増加に転じ、119億件になったという。
記事によると紙のカタログが見直されている理由は主に4つである。
① マルチチャネルの有効性が立証されている…ブランドに複数のチャネルでアクセスする顧客は、そうでない顧客の4倍の金額を使う。あるメンズウェア小売のケースでは、ネット通販の新規顧客のうちカタログを受け取った顧客は、受け取らなかった顧客よりも1.5倍の金額を使う。
② 費用対効果や追跡が可能…テレビCMやSNSと違い、郵送日や顧客データ、ソースコードが明らかなので追跡が可能。
③ ターゲットマーケティングが容易に…オンライン購入のおかげで小売店は膨大な顧客リストを入手でき、ターゲットマーケティングが容易になった。バージョニングの印刷技術も後押ししている。
④ 高付加価値のコンテンツマーケティングが可能…13分冊・3300ページものカタログに豪華な写真・デザイナーのプロフィール・琴線に触れるストーリなどが盛り込むなど、質の高いコンテンツマーケティングが可能である。
以上の点を挙げたうえで著者のデニス・リー・ヨーンは「今後ますます似たような商品が巷にあふれ、インターネットによってあらゆる商品へのアクセスが可能になる。その過程で紙のカタログとそのコンテンツは、ブランドを差別化し既存の顧客関係を維持する手段として成長していくはずだ」と記している。

ワン・トゥ・ワンとマルチチャネルが前提

世界的印刷機材展drupaを主催しているメッセ・デュッセルドルフは2015年11月に「2nd drupa global insights report」を発表した。同レポートはコンサルタント2社に依頼し、741人の購買決定者の回答をもとに世界印刷産業の洞察を行ったものである。
そのサマリーでは、先進国においては印刷広告(print advertising)は過去5年で年率6%減少しているのに、印刷消費者(print consumer)の出費は年率1.5%しか減少していないことを示した上で次のように背景を述べている。
「広告主や出版社が、ニッチマーケティングやワン・トゥ・ワンリレーションシップへのシフトにキャッチアップするにしたがい、読者がフラグメンテーションされてきている」
解釈が難しいが、出版社がマスメディアとしてではなく、より細かくセグメント化することで、ROI(費用対効果)の高いメディア展開ができるようになったと解釈できる(出版社の経営が広告費ベースから購読料ベースに転換しているとの解釈もできるが)。
結論をいうと、印刷市場が再成長する前提が2つある。
1つはマスメディアからの転換である。印刷物がマスではなく、ターゲット・マーケティング、ワン・トゥ・ワンマーケティングといわれる、特定のセグメントや個人に向けてアプローチすることではじめて成長できる。
2つめはマルチチャネルである。Webでの購読者にパンフレットを送ると購買率が上がることが立証されている。あらゆるメディアを横断したマーケティングプランの一手段として印刷物を考える必要がある。

(JAGAT研究調査部 光山 忠良)

AdobeMuseによる販促支援コンテンツ制作

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まずはスマホで情報収集というのが、多くの消費者の行動パターンになっている。 また、デジタルサイネージや電子POP など多種多様なスクリーンデバイスが進化を続けながら普及している。

こうしたデバイスへのコンテンツ提供の担い手として、非常に有利な立場にあるのが印刷会社である。なぜなら、印刷物の制作を通してお客様の商品やサービスを深く理解したうえで、わかりやすく表現することのノウハウが蓄積されているからだ。
ただしハードルもある。それがコーディングである。今後は汎用性を考えるとHTML5 形式でのコンテンツ提供が求められてくると思われる。

印刷会社の強みをより活かし弱点を補えるツールがAdobeMuse である。
●DTP 制作のスキルが活かせる
●Adobe Creative Cloud のユーザであれば新たな投資が不要
●コーディング不要でデザイン性の高いHTML5 コンテンツが制作できる

さらに本セミナーでは、ビジネス提案のタネとなる各種サンプルを紹介。
ご自身のスマホで操作も体験できる。

印刷会社の既存資産を活かしたWebビジネスの提案を行うために、AdobeMuseのエキスパートが実演をまじえ、より具体的に解説する。

セミナー内容の詳細は、講師の石井千春氏がAdobeMuseで作成したセミナー案内サイト
http://2016webbusiness.businesscatalyst.com/
もご覧ください。

開催日程・開催時間

2016年8月4日(木)15:00-18:00(受付開始:14:30より)+情報交換会★飲物付き

詳細

■15:00-15:10 オリエンテーション

公益社団法人日本印刷技術協会

■15:10-16:40  Adobe Muse は、なぜ印刷会社に向いているのか?

Creative Edge School Books
 境 祐司 氏

  • Adobe Muse は紙媒体のデザイナー向けに設計されたWeb ツール
  • HTML やCSS などのWeb の知識を必要としない理由
  • Web 制作会社と競合しない新しい「Web のチラシ」制作に注目(事例紹介)
  • Muse のワークフローを5 つのポイントに絞って解説(実演)
  • デザインツールと同じ直感的作業で高度なWebページを作成する手順(実演)

■16:40-18:00  Adobe Muse で、どこでもできないものを創る!

ベンティクアトロ株式会社
代表/グラフィックデザイナー 石井 千春 氏

  • Adobe Muse による戦略的販促サイトとは
  • 印刷物と連動する戦略サイトのデモンストレーション

■18:00-  情報交換会
●わからないこと不安なことは納得できるまで質問してください (ドリンクつき)

会場

日本印刷技術協会 3Fセミナールーム
(〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11)

参加費

12,960円(税込)、JAGAT会員:8,640円(税込)

印刷総合研究会メンバー:2名まで無料( [上級]3名まで [特別]5名まで)

申込

Webからお申込み

Web申込フォーム に必要事項をご記入のうえ、ご登録ください。

FAXからお申込み

・この申込書をプリントして必要事項をご記入の上、 FAX(03-3384-3216)にてお申し込みください。
(印刷総合研究会メンバーの方は、別途送付の専用申込み用紙をご利用ください)

問い合わせ先

内容に関して
研究調査部 印刷総合研究会担当 電話:03-3384-3113(直通)

お申し込み及びお支払に関して
管理部 電話:03-5385-7185(直通)

タイププロジェクトの「Drop&Type」を武蔵野美術大学が導入 - 学生のフォント制作をスムーズにするため、2017年度末までに98台にインストール予定

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タイププロジェクト株式会社(東京都練馬区 代表取締役社長 鈴木 功、以下タイププロジェクト)は、試作フォント生成ツールである「Drop&Type (ドロップ アンド タイプ)」が、武蔵野美術大学に導入されたことを発表いたしました。「Drop&Type」は、デザイナーや学生などがフォント化において技術的な困難さを感じることなく、オリジナルデザインの試作フォントの生成を実現します。

 

武蔵野美術大学では、2016年4月に共有コンピュータールームにある32台のMacにDrop&Typeを導入しました。来年度には、さらに64台への導入を予定しています。

武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科研究室では次のように述べています。「学生が自身でデザインした文字を、実際に使用するためのフォント化に苦労していました。フォントにできずに、一文字ずつアウトラインデータでレイアウトすることも多くありました。Drop&Type を導入することで、フォント化の時間が短縮でき、何度でも文字のデザインの修正を繰り返すことができるので、作品のクオリティが上がることが期待できます」

「Drop&Type」は、Adobe Illustratorで作成した文字のアウトラインデータを専用のシートに入れ、ドロップするだけでOpenTypeフォントフォーマットの試作フォントを生成します。

Drop&Type によるフォント生成方法は、チュートリアルビデオをご覧ください。

http://typeproject.com/apps/dropandtype

タイププロジェクトの代表取締役社長、鈴木 功は「自分がデザインした文字を、試作フォントとして使用することでデザインの方向性を確認するとともに修正点にも気づくことができます。学生の皆さんに『Drop&Type』を使っていただくことで、文字制作や作品発表の機会が増えることを楽しみにしています」と述べています。

「Drop&Type」は、StdN の範囲(Adobe-Japan1-3プラスJIS2004 字形)までの文字種から和文および欧文の全角(正方形枠)の280字を任意に選択して生成することができます。生成した試用フォントは、商用利用が可能です。学校法人は、特別契約でご購入いただけます。

タイププロジェクト オンラインショップ
https://shop.typeproject.com/

 

武蔵野美術大学について
武蔵野美術大学は、1929年に創立された「帝国美術学校」を前身とし、「教養ある美術家養成」「真に人間的自由に達するような美術教育」を教育理念に掲げ、幅広い教養と人間性を有する造形各分野の専門家を養成し、文化の創造発展と社会貢献に寄与してきました。造形学部1学部に、絵画、彫刻からデザイン、建築、映像、芸術文化と、美術・デザイン領域の広がりに対応する11学科を有し、大学院造形研究科には修士課程と博士後期課程を設置しています。また50年余の実績を持つ通信教育課程も設けています。日本を代表する美術・デザイン大学として、これまで社会に輩出した卒業生は6万6千人に上ります。

タイププロジェクト株式会社について
「文字の可能性を広げたい」それがタイププロジェクトの原動力です。2001年の創業以来、AXIS FontやTP明朝など、次世代標準を目指したベーシックなフォントを提供しています。また、企業のブランディングを促進するコーポレートフォント、都市のアイデンティティを表現する都市フォントなど、多彩な成果をあげています。「文字を通じて人々の生活をより快適に、より豊かなものにする」という企業理念のもと、新しい社会に必要な書体を開発する21世紀の文字カンパニーとして活動しています。

Web typeproject.com
オンラインショップ shop.typeproject.com
Facebook facebook.com/typeproject
Twitter @typeproject

エキスパート更新試験申請受付期間延長のご案内

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第46期DTPエキスパート/第22期クロスメディアエキスパート認証更新試験につきまして、7/21(木)を申請受付期限とご案内しておりましたが、申請受付期間を延長いたします。

最終申請受付期限
7/29(金)まで

上記期限までに、受験料のお振込みと、エキスパート基本台帳からの申請手続きを完了していただけますようお願いします。

申請方法詳細は、下記よりご覧いただけます。

第46期DTPエキスパート認証更新試験の申請・受験方法

第22期クロスメディアエキスパート認証更新試験の申請・受験方法

動画マーケティングのポイントとビジネス事例~動画学習「スクー」、レシピ動画「DELISH KITCHEN」

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動画マーケティング会社のビーバーが動画キャンペーンの戦略と効果を紹介。ファン数100万を獲得し、分散型メディアとして注目されている料理動画サービスのデリッシュキッチン、動画学習プラットフォームとして存在感を増すスクーの事例も取り上げる。

セミナー内容

動画を取り巻く状況や、企業がマーケティング手段として動画を用いる理由、ユーザーに受け入れられている動画サービスについて理解を深めます。

「あの先進企業が動画を使う理由」「あの企業はどのように動画を活用しているのか」という視点で動画を取り巻く状況や手掛けた動画制作事例について、企業の動画マーケティングや制作支援を行うViibar(ビーバー)が、解説。

事例は、国内最大級のオンライン動画学習サービス「schoo(スクー)WEB-campus」を運営するスクーと、国内最大級の料理動画メディア「DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)」を運営するエブリーが登壇。ビジネスモデルや動画コンテンツの工夫を伺います。自社メディアを持たずにFacebookやInstagramといった外部プラットフォームに配信する「分散型メディア」という概念についても聞きます。


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DELISH KITCHEN
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Viibar(ビーバー)
動画制作クラウドソーシングの「Viibar」が7億円調達–ヤフーと提携も(CNET Japan)

開催情報

【日時】
2016年08月30日(火) 14:00-16:30(受付開始:13:30より)

【会場】
日本印刷技術協会 3Fセミナールーム(〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11)

【参加費】
15,120円(税込)、JAGAT会員:10,800円(税込)
印刷総合研究会メンバー:無料 [一般]2名まで [上級]3名まで [特別]5名まで
→自社が研究会会員(またはJAGAT会員)か確認したい方は、お手数ですが事務局までお問合せください。

【1】あの会社の最新事例から読み解く、動画キャンペーンの戦略と効果

株式会社Viibar Sale & Marketing Unit 篠原佳名子氏

動画元年と言われた昨年から年が明け、一部の先進企業は「オンライン動画をまずは使ってみる」という段階から、「オンライン動画をマーケティングの主力武器の一つとする」段階へと進んでいます。そこで、「あの先進企業が動画を使う理由」と「あの企業はどのように動画を活用しているのか」について、Viibarの最新事例を基にお伝えします。

【2】オンライン動画学習サービス「schoo WEB-campus」におけるビジネスモデルとその展開

株式会社スクー プラットフォーム部門 エバンジェリスト 中西孝之氏

  • 提供サービスの概要
  • ビジネスモデルと今後のビジネス展開
  • 動画学習コンテンツにおける整理と工夫

【プロフィール】
2012年2月に2人目のメンバーとしてスクーに参画。参画以前はフリーランスとして雑誌媒体の編集や、受託による広告制作などを行う。スクーに参画後は、授業コンテンツの制作やディレクションを行い、現在はプラットフォーム部門事業開発部門にて事業提携や企業・大学との学習コンテンツの企画立案、動画コンテンツの活用や動画ビジネスの普及のためのエバンジェリスト活動を行う。

【3】国内最大級の料理動画メディア「DELISH KITCHEN」 ユーザーに求められる動画コンテンツづくりとは

株式会社エブリー DELISH KITCHEN編集長 / 料理研究家 菅原千遥氏

  • エブリー / DELISH KITCHENの概要
  • DELISH KITCHENのビジネスモデル
  • ユーザーに求められるコンテンツ、価値があるコンテンツとは

【プロフィール】
1989年4月13日生まれ。慶應義塾大学を卒業し、大手IT企業に勤務。2015年9月に株式会社エブリーを共同創業。 「世界中の人においしくて簡単なレシピを提供したい」という思いから、編集長として料理動画メディア「DELISH KITCHEN」を立ち上げる。

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Webからお申込み

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FAXからお申込み

申込書をプリントして必要事項をご記入の上、 FAX(03-3384-3216)にてお申し込みください。
(印刷総合研究会メンバーの方は、別途送付の専用申込み用紙をご利用ください)

問い合わせ先

内容に関して
研究調査部 印刷総合研究会担当   電話:03-3384-3113(直通)

お申し込み及びお支払に関して
管理部 電話:03-5385-7185(直通)

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